Satoshi Labo diary

主にジョギングやマラソン大会の様子について書いています。

London Marathon 2022 - World Six Majors 6th of Six

London Marathon 2022 (VLM2020) 6th of six

LM design for London Marathon 

帰国後に体調を崩して療養を経て漸く本日2週間振りに帰宅出来少しホッとしています。やっとロンドンマラソン紀行を記します。

 

記憶が薄れないうちに怒涛のLondonマラソンを振り返る。

 

振り返ればこの20週間、チャリティーNPO法人契約のプロコーチ直伝のトレーニングメニューをこなしてきた。日本とイギリスのプログラムの違いに新鮮な驚きを感じながら、心と体の少しのゆとりを楽しむ余裕もあった。22回目のリアルフルマラソンさて、8月に何とか月間300キロ走破したものの、まったく追い込み練習といったトレーニングはせずに、目標3時間15分レベルでの完走水準での練習を積んで現地入りした。

 

前日、カーボローディング晩さん会で心も体もエネルギーとカーボローディングされ、当日朝なんと1時半に目が覚めた。

時差ボケそのままで、マラソン当日を迎えるのはいつものこと。とは言え、前回マラソンが2019年9月のベルリンマラソンからちょうど丸3年。フルマラソンの距離と試合勘はなくなってしまった。

 

ロンドンマラソンのコースは、市内を流れるテムズ川を中心に、グリニッジ天文台で有名なグリニッジ公園がスタート地点、前半20キロテムズ川を渡って右折して中間地点、西に向かって反時計回りにまわって30キロから35キロ、最後はテムズ川を左手に風光明媚なロンドン市内の有名な建築物を眺めながらバッキンガム宮殿のゴール地点までの42.195キロ。

LM Route map

ロンドンマラソン当日の朝の気温は20度を下回るくらいか、天気はくもり、日本がまだ30度ある暑さと比較するととても気持ちが良いくらいだ。グリニッジ公園にチャリティーNPO集合写真撮影で集まる。

Team Sense

みんな3年間世界中でそれぞれ練習を積んで何度もZoomにて接点のあった仲間同士やっとリアルであえる喜びを分かち合う。日本からは僕だけかな。何だかこのマイノリティー感が何とも不思議に心地良い感覚がある。非日常の刺激をやはり時々は全身で感じることがとても大切だと思う。五感を研ぎ澄ます感覚はこのような様々な場面に自ら進んで経験を積んで磨かれていくと改めて感じる。

 

スタートエリアに向かってグリニッジ公園の丘をしばらく上っていく。スタートエリアは4色に分かれていてイエローエリアだ。何となく周りを見渡すと普通に2時間台で走れそうなランナーが集まっていることが直感的にすぐわかる。Wave1、9時40分、ポワーン、というラッパの音で、ワイワイとゆるーくスタート。これは新感覚だ。リラックスした状態でゆったりとスタートできること。とても良かった。

 

ゆとりがあるスタートエリア Wave1でもこんな感じ余裕がある

Starting area Wave1 Yellow

始めの5キロは前日カーボローディング晩さん会での予習通り。東京の5キロのように下り。ゆったり入っても4分10秒くらいで進んでしまう。マラソンは20キロまではウォームアップなので5分ペースくらいで思いながら気楽に入る。過去で最もリラックスして動けていることが感覚的にわかる。3年大会がなく、試合勘が鈍っているのでノイズがなくてむしろ良い感じ。

 

10キロくらい進むと、下りも落ち着いてきて、角を右折してカティサークに差し掛かる。カティサークは、19世紀に中国からイギリスに紅茶を運ぶ高速船での輸送速度を競って作られた船らしく、特に上流階級が飲むお茶をいかに早く届けられるかで稼ぎを競ったとか。

この辺りで最初の応援団に手を振る。今回チャリティーチームが4か所で応援してくれているので、それが楽しみでチェックポイントになっている。この辺りの距離で当日の調子がわかるが、今回はとにかくお腹がいっぱいで良い感じで重い。笑 ベストが出るほど良い感じはしない。がそんなに悪くもない。無理をせずに良い旅路にしたいと気持ちを引き締める。

 

序盤の様子 ゆったりとした雰囲気で気持ちいい

 

20キロでテムズ川を渡るロンドンタワーブリッジだ!これはテンションが上がる。応援も最高だし、何といってもフォトジェニックだ。なぜ今回GoProを買わなかったのか!と直感的に悔やんだがまあそんなこと言っていたらキリがない。それにしても、あまりの高揚感に、つい橋の上で立ち止まって空を見上げていた。あー、やっとここまで来たんだ、と。

ロンドンタワーブリッジ 歓声と景色にじわじわくる

 

橋を渡って右に曲がると、中間地点。しばらくすると、なんと友人が応援してくれているじゃないか!笑顔ですれ違って、お互いに手を振る。何と、ロンドンで名前を呼んでもらえるなんて最高に嬉しい!

 

また暫くいくとチャリティー応援団の声援を受ける。これは本当にうれしいし、今回のランはお互いにサポートしあう関係が気持ちの面でもとても安定している。とても良い感覚、平常心でいられるのを、走っているときにずっと自然と感じながらいられたのは幸せに思う。

 

25キロ、しばらく進むとCanary Wharfエリアに。個人的な印象だが、東京でいうと、八丁堀から築地や月島といった下町の印象。細い道路をくねくねと進む。距離を合わせるのかい?と感じながらも、下町っぽい雰囲気が街並みから伝わって楽しい。石畳の街並みに少し昔の雰囲気が感じられるところもロンドンの良さなんだと思った。それを抜けると、今度はモダンな開発されたビル街、最近の金融街という感じか。何でも今回ロンドンは初なので、これまで走った東京、シカゴ、ボストン、ニューヨーク、ベルリンの街並みとはまったく違った魅力が、ここロンドンではビシビシと伝わってくる。ひとことでいうと、とにかく、ゆとりがある。緑が豊か。急いでいる感じがしない。歴史のある建築物が多いからか、街並みが落ち着いていて素敵。

 

27キロ地点手前、いつもより早くけいれんする。左足のハムストリングス。あー、6月に痛めたハムくん。本当にお疲れ様。良くここまで頑張ってくれた。27キロまで運んでくれて本当にありがとう。あと15キロ。少し早めのけいれんで、まだ少し長いが残りの旅路を良いものにしよう。焦る必要はない。まずは栄養補給で再点検。

 

振り返れば、今日は結構汗をかいたかもしれない。それなりに水分補給していたが、ナトリウム不足か。先ず日本から持ち込んだジェルと、現地のエイドでジェルをもらい流し込む。

 

しばらく進むと、今度はまた友人が日本国旗を掲げて応援してくれている! こんなに嬉しいことはない。嬉しさのあまり思わず立ち止まって世間話をしてしまうところだった。感謝感謝の連続のレースだこれは。まったく今回は急ぐ気持ちが自然となくて終始リラックスして笑顔で走っていたような感覚だ。

 

35キロ。The highwayを進む。この辺りまでテムズ川沿いを戻ってくると、左手にテムズ川を眺めながらというか、きつくなってきて、これは多摩川なのか? いいやそんなハズは無いゾ!テムズ川だよな。The Shard、Tower of London、 Millenium Bridge辺りまで何とか進む。

 

もう結構身体は悲鳴をあげ続けている。発汗量もある、脚のけいれんも断続的に続いている、この3年間のブランクをこれでもかと思い知る瞬間。でもそれはそうだ。楽なマラソンなど存在しない。ここまで駒を進められた周囲の環境を思い出す。家族、友人、職場の仲間達、、そして、、ランニングのコミュニティだ。

 

6大メジャーまでチャレンジしたからこそ出会えた仲間にどれだけ支えられてきたか。そんな思いが、自然と沸き起こる。テムズ川の景色を前に、やや感傷的に!自然と笑みと涙が。

 

途中で後続のWaveのSub3ペーサーが追い抜いていく。お、こんな感じか!と久しぶりにサブ3ペースを思い出して、感覚が少し復活する。なぜかまた元気が沸き起こる。少しずつジョグからリズムを作って、満身創痍だが、何とか前進。

 

この辺りで日本のランニング仲間が追いついてくる。おっ、とお互いに挨拶。急に代々木公園や織田フィールドに戻った感覚だ。

 

37キロ。この辺りから、異変に気が付く。何か?観衆だ。序盤はもとより、中盤までは友人とチャリティー応援団では名前を呼んでもらったが、それ以外ではほとんど呼ばれなかった。終盤からが異次元だった。

 

そうだ。ユニホームの名前を観衆が叫んでいる。何だ、どうしたんだ。颯爽と走っているわけでもないのに。いや、まったく逆だった。もがいている自分を鼓舞しようという観衆が自分の名前をシャウトしてくれている!ウォータールー橋の上から、ビックベンを右折する角から、Satoshi、Satoshi-san~~~の声援を頂いた。これまでのマラソンではまったく味わったことのない感覚だ。もう力は湧いてこないと弱気になりかけていたが、まさに背中を押してくれている!

 

40キロ地点あたり。

ウィンストンチャーチル像の前あたりか、再びけいれんする。あー、チャーチルとそのむこうにはガンジー像か!もはや何だかよくわからないが限界か。そこへ、地元の熱きアスリートおじさんか、おい大丈夫か!けいれんか、よしコントロール出来ていれば大丈夫あと2キロだ!当然本場のBritish英語で応援してくれて。涙が出るほどうれしい。

 

正直まだ2キロもあるのか、つまり、2キロも楽しめるのか!というゾーンに久しぶりにハマり、最後は言わずもがな、きついながらも、清々しい気持ちで、声援に応えて、自分を鼓舞して、脳をだまして、前進。完全アドレナリン放出。戦闘モードで、2キロと.195キロを走破して、マーラ・ヤマウチさんが実況中継しているゴールへ!

バッキンガム宮殿の前の花壇 前日に撮影

6メジャーの動画にインタビュー登場は良い記念に。

London marathon & World Six Majors Medals

 

6つの世界規模のマラソン大会。

走る旅、ロンドンを3時間25分で完走して、この旅は自分が歩んできた環境がくれたギフトなんだと感じた。自然体でここにたどり着いた。このようなチャレンジができる丈夫な心身に育ててくれた両親、家族、すべての環境に感謝。そして、まさに国境なきランニング仲間のコミュニティに心から感謝します。

3:25:22 Customising the finishers medal

 

いまは余韻を楽しみつつ少し心身を労わって、また少ししたら動き出して走り続けたい。チャリティーにご賛同頂いたすべての皆様に改めて感謝いたします。

Run and be happy!!

 

長文乱文失礼しました。最後までお読み頂いた方ありがとうございます。

またどこかの大会でお会いできるのを楽しみにしています。

Keep running, don’t settle!

Thank you